事故で1ヶ月は出社できない? どうせお前は無能なんだから退職しろよ。 俺が会社に電話をすると、部長は心配するどころか、笑いながら罵倒してきた。 部長、お言葉ですが、私が抜けて本当に大丈夫でしょうか? おいおい、役立たずの平社員のおっさんがいらくられば、人件費削減になってむしろ助かるぞ。 そうですか。では、望み通り退職した翌日、俺がいない会社では今までに類を見ない大問題を起こし、部長は絶望することになる。 俺の名前は桐島達也。 35歳。産業建設という中堅建設会社の総務部に所属している。 会社では、ああ、桐島か。程度の扱いで。地味な雑用係りというのが定評だ。 朝日がまだ昇り切らない午前7時。オフィスには誰もいない。 だが俺はいつものように出社し、パソコンの電源を入れる。 画面が起動するまでの間、昨日届いた工事現場からの図面を机に広げる。 また修正箇所があるな。赤ペンで問題点をチェックしながら、頭の中で解決策をシミュレーションする。 図面の寸法ミスは、ただの計算間違いだけじゃない。 これが、行政提出書類に反映されると、プロジェクト全体に影響する。 キーボードを叩く音だけが静かな空間に響く。 観光庁提出用の建築確認申請書を修正し、倉庫の建材リストも更新。 誰も見ていないところでこそ、俺は本領を発揮する。 種類からは雑用係と見られているが、実は建築図面から法規制、在庫管理システムまで、 この会社の裏側を全て把握しているのは俺だけだった。 時計が9時を指す頃、エレベーターの音が聞こえてきた。 そろそろ他の社員たちが出社する時間だ。 急いで手元の書類を整理する。塩野谷部長が一番に姿を現した。 48歳。プライドだけは一人前の総務部長だ。 お、桐島。また早いな。何やってる。 おはようございます。 昨日の工事写真データの整理をしていました。 はぁ?大した仕事もないのに早出して。余計な残業代かけるなよ。 にがにがしい表情で言い放ち、自分のデスクへと歩いていく。 すぐ後からやってきたのは同じ総務部の木村葵。 28歳で上司には媚び、周囲は見下す典型的なタイプだ。 あら、桐島さんまた朝から雑用? にやにやと嘲笑うような視線を投げかけてくる。 ただの書類整理だよ。 そんなことより部長、今日の役員会議の資料、私がチェックしておきましたよ。バッチリです。 お、さすが木村。頼りになるな。 俺はため息をつきながらも手元の仕事を続ける。 彼らには見えない大事な仕事がこの手の中にあるというのに。 昼休みに入る頃、営業部から慌てた声で電話がかかってきた。 すまない。明日のプレゼン用のデータが見つからないんだ。 先週提出した工事写真のバックアップってない? ちょっと待ってください。 サーバーの奥深くに格納しておいた予備データをすぐに探し出す。 あります。すぐにお送りします。 助かった。早くて助かる。 午後、タブ社からの緊急の書類修正依頼もなんとか片付け、 夜遅くまで残業。誰もいなくなったオフィスで。 施主への提出書類のフォーマット乱れを直し、システムの不具合も修正していく。 翌朝、俺が出社すると営業部で騒ぎになっていた。 昨日のデータ問題、直ってる。 誰が直したんだ? いや、昨夜帰る時はまだ壊れてたのに。 この会社に妖怪でも出るのか? 木口主任が俺の方をちらりと見た気がしたが、何も言わない。 みんな気づかない。 いつの間にか問題が解決されている現象は、実は俺の手によるものだということを。裏で会社を支えている俺が事故に遭い入院報告をすると部長「無能窓際社員はこのままクビでw」俺「いいんですね?」➡︎望み通り退職して着信拒否した結果ww
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事故で入院。じゃあ、クビにしとくから、一生休んどけよ。 俺が部長に電話して状況を伝えると、彼は心配するどころか、バカ笑いしていた。 いやぁ、窓際社員はこの会社に必要ないからね。もう明日から来なくていいぞ。 わかりました。 彼にとって俺は捨て駒の一人なのだろう。 俺は部長の言葉を受け入れ退職へ。 この一件を機に、彼は自分の立場を追われることになるとは、まだ知るよしもなかった。 俺の名前は佐々木健二、32歳。大学を卒業して上京。 狸株式会社に入社してから、今年でちょうど10年になる。 今は総務部に所属しているが、地味な見た目のせいか、周囲からは使えない男とみなされ、任される仕事は誰にでもできるような雑務ばかりだ。 この資料、倉庫に運んでおいてくれ。 そう言ってきたのは、霞津義、48歳。名門大学の出身でプライドが高い。 はい、わかりました。 俺は言われた通りに資料を抱え、倉庫へと運ぶ。 そんな俺の背後からは、霞部長の声が聞こえてきた。 いい歳して雑用しかできないなんて、佐々木は総務部の鬼物だ。 その言葉に森川がすかさず応じる。 本当ですね、佐々木さんって、いてもいなくても同じって感じ。 森川綾乃、24歳。肩までカールした髪が印象的な美人。上司に取り入るのが得意だった。 そんな二人の横で別の社員が言った。 でも佐々木さんって、誰よりも早く出社していますよね。 その一言に森川は首をかしげる。 確かに、そんなに早く来て、何してるんだろう。 霞部長は顔をしかめ、不機嫌そうに吐き捨てた。 使えない奴はどんなに早く来たところで、結局は役に立たんよ。 倉庫に着いた俺は資料を脇に置き、思いその扉を開けた。 中は案の定、散らかり放題。年度始めはいつもこうだ。 床には段ボールや書類が無造作に置かれ、足の踏み場もない。 俺は深く息を吐いて周囲を見回し、抱えていた資料を決められた棚へ静かに置いた。 その日の夕方、営業部の斎藤がやってきた。
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ちょっと待て、一体どういうことだ? 俺は取引先の新社長であるカンバヤスから、突然契約破棄を言い渡された。 ああ、海外でお前のとこより安く製造できるところを見つけてな。 コストカットってやつだ。そういうことだから。 その後も、俺が何を言っても彼は聞く耳を持たない。 お前が路頭に迷う姿を楽しみにしてるぜ。 彼は中学の同級生でもあり、その頃の印象のまま俺をバカにしている。 ただ、彼の今回の行動は大きな間違いだ。 俺の会社と契約を解除したことで、カンバヤスは全てを失うことになる。 俺の名前は品川ハヤト。 この下町で三代続く町工場、品川工業の社長をやっている。 学歴なんてものはないが、腕一本で今までやってきた自負はある。 朝日が昇り始めた工場の入り口に立ち、深呼吸をする。 古い建物だが、中にある機械たちは、最新とは言わないまでも十分に戦力になる相棒たちだ。 シャッターを開け、工場に足を踏み入れると、金属の匂いと油の香りが鼻をつく。 この匂いは好きだ。 社長、おはようございます。 先に来ていた古株の職人、田中さんが元気よく声をかけてくる。 俺はそれに返事を返しながら、学校へ行く息子を見送る。 行ってきます。 いつもなら元気に飛び出していくはずなのに、どこか元気がない。 おう、行ってらっしゃい。 先に出た息子の背中を見て、ミサが心配そうな顔で俺を見上げる。 最近、総助元気ないわね。 ああ、気になってたんだ。何かあったのか。 昨日も、学校に行きたくないって言ってたの。何か嫌なことがあるのかもしれないわ。 かつて、自分も子供の頃、工場の息子は貧乏だと言われて、片身の狭い思いをしたことがある。 まさか、息子も同じ思いをしているのではないか。胸が締め付けられる思いがした。 そうか。 今夜、総助と話してみるよ。
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よーし、これで俺は社会貢献もできてお金も稼げる。いいこと尽くしだな。 同じ病院に勤めている西条は、俺が長年研究してきた臨床データを盗み、論文にして世に広めようとしている。 やあ、持つべきものは友ってやつ?俺は恵まれてるわ。 その後も彼はニヤニヤと俺に長ったらしく説明を繰り返していた。 そのデータだけはやめろ。取り返しのつかないことになるぞ。 何急にムキになってんだよ。世のため人のためだぞ。誰が言おうが関係ねえだろうが。 彼は何もわかっていない。今このデータを世に出すわけにはいかないのだ。 そんなことを知るよしもない彼は、今回の浅はかな行動を一生後悔することになる。 俺の名前は北條宗介、38歳。東洋医科大学病院の研究職兼医師だ。 数年前まで海外の研究機関に勤めていたが、日本に戻ってきた帰国組の一人。 派手さはなく地味な医者という印象を持たれがちだ。 そんな俺が今いるのは、難治性がんや希少疾患の先端研究を行う東洋医科大学病院の研究センター。 国内外から期待されている重要拠点だ。 今日も変わらず研究データと向き合い、患者たちの検査結果を丁寧に分析している。 北條君、今日もお熱心だね。 振り返ると、病院の理事長である西条照明が笑顔で立っていた。 65歳とは思えない凛とした佇まいの持ち主で、一代でこの病院を大きく発展させた人物だ。 あ、理事長、こんにちは。今、免疫治療の新しいデータを分析していました。 君を迎えたのは正解だったよ。海外での君の実績は知っている。 あの画期的な免疫療法の試験運用の成功は国際的にも高く評価されていた。 君は彼の言葉に少し照れつつも、心の中では嬉しさを感じる。 日本ではまだあまり知られていませんが。 それがもったいない。もっと自分をアピールしてもいいんだよ。 患者さんのためになる治療法を確立することが第一です。華やかな発表は苦手で。 そう言いかけた時、廊下から高圧的な声が聞こえてきた。 声の主は理事長の老いである西条修司。29歳という若さで病院の事業企画室長に就任している。 見た目は爽やかだが、内面は…。 おい、この書類は何だ。こんな予算配分では話にならない。やり直せ。 部下らしき職員が小さくなりながら立ち去るのを見送った後、修司は俺たちに気づいた。 あ、おじさん。こんなところにいたんですか。