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今までご苦労さん。次拾ってもらえる会社があれば、頑張れよ。 社長の息子にはめられ、俺は会社をクビになってしまった。 中卒はこの会社の恥なんだ。ようやくこれですっきりするな。 彼は異様に学歴などの肩書きにこだわっているようなので、教えてあげるしかないな。 世の中に必要のない人間なんていないということを。 俺がいなくなったこの会社は、今まで類を見ないほどの大混乱に陥ることになる。 俺の名前は北條直樹、28歳。中卒のシステムエンジニアだ。 学校にはいかなかったが、独学でプログラミングを極めた自負はある。 今はフロンティアシステムという中堅IT企業で働いている。 会社の主力システムの開発と運用を一点になっているんだ。 今日もいつも通りオフィスに足を踏み入れた瞬間、何か様子がおかしい。 社員たちがざわついている。みんなが掲示板の前に集まって、何かを見ている。 おはようございます。同僚の挨拶にさらっと返しながら、俺も掲示板に近づいた。 そこに貼られていたのは、希望退職者募集と書かれた紙。 そして、そこには俺の名前、北條直樹だけが大きく載っていた。 これは、どういうことだ?声に出さず眉を潜めて紙を見つめる。 周囲からは、どういうこと?北條さんだけ?という声が聞こえてくる。 ああ、見つけたか、北條。 背後から聞こえてきた声に振り返ると、そこには桜場勝政の姿があった。 社長の息子で、名ばかりの最高戦略責任者だ。 32歳だが、会社での実務経験はほとんどない。 それでいて、いつも偉そうにしている。 特に、俺のことを目の敵にしているようだ。 どうだ、感想は。 駐属なんて役立たず、さっさと退職しろよ。 嘲笑うような表情で勝政が言う。 その目には明らかな敵意が見て取れた。 それが、会社の正式な方針なんですか? できるだけ冷静に、しかし毅然とした態度で尋ねる。 当たり前だろ。俺は最高戦略責任者だぞ。決定権は俺にある。 お前みたいな学歴もない奴が、うちの会社にいる必要はない。 高圧的な態度で勝政が言い放つ。 周囲の社員たちは困惑した表情で見ている。 誰も口を挟めない雰囲気だ。 なぜわざわざリストで晒す?本当に俺を追い出したいのか? 内心では不審に思いつつも、俺はあえて、 こわだかに、俺のシステムがないと困るはずだ、とは言わなかった。 そんなことを言えば、ただの独りよがりに聞こえるだけだろう。 ほうじょうさんがいなくなったらやばいよね。 あのシステム、ほうじょうさん以外、誰も触れないじゃん。 周りの社員たちが、ひそひそと話しているのが聞こえる。 俺がこの会社で、どれだけ重要な役割を担っているかを、彼らは知っている。 何をボソボソ言ってる。仕事に戻れ。 社員たちに怒鳴り散らす勝雅。 その傲慢さに、思わず拳を握りしめそうになる。 だが、今はぐっと耐えた。 ほうじょうくん、ちょっといいかな。 システム開発部の部長が声をかけてきた。 穏やかな表情だが、目には心配の色が浮かんでいる。 はい、部長。 部長のデスクに向かって歩きながら、背後で勝雅が、 さっさと荷物まとめろよ、と言っているのが聞こえた。 あれは勝雅さんが勝手にやったことだ。社長は知らないはずだよ。 わかってます。 君がいなくなったら、会社のシステムが動かなくなる。社長息子に嵌められクビになった俺。「中卒は会社の恥だからなw」俺「おせわになりました」➡︎システム開発者で社内唯一の管理者の俺がそのまま退職した結果www

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昭和臭い町工場で、しかも高校を中退しているような人間が作る技術を、 信頼できるわけないだろうが。 俺が父親の思いをついで完成させた 炭造技術を取引先へプレゼンすると、白石は資料を投げつけ罵倒してきた。 くだらん時間だった。もう帰っていいぞ。 彼には何も響かなかったようだが、 絶対にこの技術は世に広まるものだ。 後悔しても知りませんからね。 この騒動を機に、俺や白石の会社は予想できないほどに大きな変化を迎えることになる。 俺の名前は橘龍介、29歳。 町工場橘炭鉱所の社長兼職人だ。 高校は中退した。 学校の勉強より、俺には父から直接学んだ炭造技術の方が性に合っていた。 父は天才的な炭造職人で、伝統的な日作りと最新の金属工学を融合させた多層炭造技術を開発した人物だった。 そして俺はその技術を受け継ぎ、多層炭造分子接合の特許を現代的に完成させた。 少なくともそう思っていた時期もあった。 今日も朝から熱した鉄を叩き続けている。 工場内には打撃音が響き、油の匂いが漂い、火花が飛び散る。 これが俺の日常だ。 鉄を打つリズムはまるで俺の鼓動そのものだ。 日作りは単なる仕事ではなく、血に流れる情熱なのかもしれない。 赤熱した鉱材に向かって、大きな金槌を振り下ろす。 鉱材からは小さな火の子が舞い上がり、工場内に散る。 その光景は、星が降るようで美しくもある。 その温度帯ならあと3度叩き込みだ。 焦るなよ、ぼっちゃん。 声の主は大竹守、60歳のベテラン職人で、 父の代から工場に勤めている。 俺のことをぼっちゃんと呼ぶが、今では一流の職人として認めてくれている。 大竹師匠の目はごまかせない。

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俺の名前は朝野誠、35歳。中卒の工場勤務だ。花々しい経歴なんてない。高校にも行けなかった。 親父が病気で倒れて家計を支えるために、15歳の時から働き始めた。 でも、独学には誇りがある。機械いじりが好きで、 よなよな古い部品を集めては組み立てて、自分だけの発明品を作ってきた。 工場の片隅に設けられた自分の作業台の前に立ち、新しいジグの設計図に向かう。 修理工業の工場内は朝から機械音で活気に満ちていた。 朝野、この部品どうなってる? 部長が声をかけてくる。俺の直属の上司だ。 いつも眉間にシュワを寄せているが、目は優しい男だ。 はい。 この継手部分を改良して、耐久性を30%ほど向上させました。 図面通りに進めています。俺は自信を持って答えた。 大学や専門学校で正式に学んだわけじゃない。 すべて独学と経験だ。 でもその知識は本物だと自負している。 おお、またお前の独自改良か。 相変わらず頭の回転が早いな。 そう言って部長は肩を叩いていった。 この会社に入って8年。今では主任候補として認められている。 最初は中卒という肩書きに不安もあったが、結果を出し続けることで周囲の信頼を勝ち取ってきた自負がある。 家に帰ると妻の彩香が戦い笑顔で迎えてくれた。 彩香は俺より3つ年下の32歳。 おかえり、まこと。今日も遅かったね。 ああ、新しい部品の試作に時間がかかってな。 また何か発明してるの? その言葉に少し照れながらうなずく。 彩香は俺の発明熱を一番理解してくれる人だ。 ああ、製造ラインの効率化も考えててな。 もしうまくいけば作業時間が2割は短縮できる。 すごいじゃない。あなたの頭の中はいつも新しいアイディアでいっぱいね。

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いくらだ?どうせお前らが欲しいのは金だろ。 商談で2時間待たされた挙句。取引先の社長の第一声は、謝罪どころか、俺をバカにした発言だった。 私はお金よりもこの技術をどう扱うかが大事なんです。 何を偉そうなこと言ってんだ。結局は金がないと何もできないんだよ。 いいからその技術をようこそ。大企業の我が社が広めてやる。 その後も彼は、技術者全員を敵にする発言を繰り返している。 もういいです。この話はなかったことに。 これは大企業の甘い誘惑に負けず、技術者の俺が本当の栄光を掴むまでの物語である。 俺の名前は桐生理久。35歳。スタートアップ企業ギアサイクル社のCTO。最高技術責任者だ。 ここ数年、ずっと開発に取り組んできたブレークレスバッテリーシステム。通称BBSの検証データを眺めていた。 オフィスの静かな夜。モニターの青白い光が俺の顔を照らしている。 データは予想以上に安定していた。 停電や災害でも電力供給が途切れることのないバッテリーシステム。 BBSは俺が幼い頃からの夢を叶えてくれる技術だ。 コーヒーを一口飲んで、ふと15歳の夏の記憶が蘇る。 祖父は在宅医療を受けていて、呼吸器が欠かせなかった。 あの日、突然の停電で機械が止まりかけた時の恐怖は今でも鮮明に覚えている。 慌てて手動で空気を送る作業。祖父の苦しそうな表情。 数分だったが永遠に感じられた。 電力が途切れることで命が危険に晒される人がこの世にいる限り、必ず解決策を見つけてみせる。 その誓いが俺をエンジニアの道へと導いた。 そして去年の台風災害、避難所に試作品のBBSを持ち込み、 医療機器に原力を供給し続けることができた時は、ようやく自分の原点に立ち返れた気がした。 ドアが開き、同僚の佐々木が顔を出した。 【佐々木】桐生さん、まだいたんですか? 【佐々木】重大ニュースですよ。天道ロボティクスからコンタクトがあったそうです。 天道?あの大手か? 【佐々木】そうです。うちのBBS技術に超興味持ってるらしくて、 【佐々木】なんでも大規模投資、50億円規模の契約になるかもしれないって。 俺は眉を潜めた。確かにギアサイクル社の資金繰りは楽ではない。